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『ダンボルギーニ』への道 第1章-⑧

BM2015(3)

製作する号令をかけた後はもちろん「参考とする実車」が手元にないままスタートとなります。さらに悲しいことに?、誰もその「参考とする実車」を見たこともない…w。

主に参考にしたのはネット上の大量の画像と、娘にと称して買ったラジコンが「参考とする資料」となりました。

ラジコン

製作開始は1/16サイズの小さなものから試作…初めは紙を使用しておおよその形とするが、1/8サイズからは段ボール化に…そうなると2つの大きな問題が生じてくることに。

・紙のように「曲げる」ということができない
→曲面はすべて折った「面」で表現しなければならない

・厚み方向の設計も考慮しなければならない
→これまでの設計のおおよそのパーツ構成やディティールは参考としながら、基本的に設計図(CADデータ)はすべて引き直し、作り直しをしなければならない

段ボール化して1/8くらいのサイズの試作を完成させた後は、当然のごとくステップアップし、1/2サイズに挑戦となりました。

1/2サイズも段ボールの素地の無地で作られていき、紆余曲折はあったものの2014年11月初旬に完成し、その直後に行われた仙台市内のビジネスマッチングイベントに出展し、初公開!。
1/2サイズとはいえ全長2mをゆうに超すダンボールモデルということもあり、多くのお客様に見ていただき、そこそこの反響をいただくことになりました。

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1/2サイズが完成した後の残されたミッションは…そう、「1/1スケールモデル」への挑戦でした…。

この1/1スケールモデルで一番の特徴は「すべてカラーになった」ことでした…2015年1月に東北でも非常に珍しいフラットベッド型大型UVプリンターを導入したのです。2.1×3.1mまでの素材に一発でフルカラーでプリントが可能…このマシンの特性がフルに活かされる大仕事になったのは言うまでもありません。

ここで一番重要だったことは、「ボディカラーをどうするか?」ということでした。
将来のダンボルギーニのイメージカラーになるカラーですから慎重になる…。
でも、俺の中では答えは必然的に出ていたので、何の迷いもなく、「コレにして!」ってw。
それは、人呼んで

『ダンボルギーニ・ド・ピンク』

またの名を、『快活のピンク』(Lively Pink)
(詳しくはブログ内「ダンボルギーニ・ド・ピンク」参照
http://damborghini.com/archives/199 )

 

カラーが決まってからの製作過程は、
またまたの紆余曲折、試行錯誤、創意工夫…

当然のように大きくなればなるほど出てくること…
ディティールの見直しや強度の問題、再現性をどこまで追求するか、パーツ構成の再検討…多くの問題や新しい課題を見つけては一つ一つクリアしながら製作は進みました。

製作時間については通常の本業の作業の合間を縫って進められたり、残業や休日出勤等で賄われました。
この作業はいわゆるお客様から依頼された「仕事」ではありませんでしたので…。

俺の役割は、設計や表現方法の「最終決定」と、経営者として重要なスタッフが安心して作業に従事できる「環境の整備」ということに徹しました。材料や道具の手配、当たり前ですが安心して作業に没頭できるように給与手当も保証しました。また、焦らせたりダメ出しになるような内容は一切口にすることはありませんでした。
ここまででパーツの作り直しや設計変更は「500」にも上ったものと思います。
「自信や誇り、自分たちの成果として実感してほしい」という思いもあり、工夫やアイデアもスタッフからあげられるものを優先して採用していくようにしました。

 

地元愛、地域への想い、次世代への提言、製作スタッフと支えてくれた社員全員の情熱とコダワリ、己の夢と憧れ・・・それらを「乗せられるだけ乗せて」・・・

そして・・・

2015年11月4日の夜、
『ダンボルギーニ1号機』完成!!

工場での完成(1)

工場での完成(2)

 

11月5日の、昨年に引き続き出展した仙台市内の展示会発表を経て…

BM2015(1)

BM2015(2)

 

12月23日からシーパルピア女川の当社のテナント店舗に常設展示する予定に…。
*この時点では、あくまでも予定に、です

『ダンボルギーニ』は絶対に多くの関心を集めるだろう!!・・・
この時の想いは、この『ダンボルギーニ』が注目されれば、ひと目見ようと全国各地から多くの観光客が女川に、そして経由地の石巻市に訪れるようになるだろうと…それで震災復興の象徴にもなり、小さくとも地域貢献もできるだろう…。

そしてなにより、これは自分が思い描いていた

『おもしろい』
(詳しくはブログ内「ダンボルギーニへの道 第1章-⑤」参照
http://damborghini.com/archives/166 )

…を具現化した一つの事例を、この地域発信で完全に示すことにもなるだろう…と…。

 

 

(続く)

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