『ダンボルギーニ』への道 第1章-③
仕事も少しずつではあるが増えてきて、あの『環境』が整いつつあるとき、忘れもしない出来事がありました。
皆さんも記憶にあるあの平成20年のリーマンショックです。
あの時は本当に驚きでした…なにせ急に仕事が注文が途絶えたのです。少しずつ減っていったのではなくストン!と無くなったのですから…。世の中の動きにはどうにも逆らえないことを悟り、あえぐことをやめ、気持ちを切り替えることにしました。そこで急遽やり始めたのがあのダンボール製の『ガン◯ム』の製作です。「やることないから今がチャンス」とばかりに取り掛かりました。もちろんただヒネクレてヤケになっていたわけではなく、今だからこそ技術を身に付けることができるという前向きな発想があったのです。そしてここに至るまでにはいろんな方々との出会いもありました。それらが俺を後押ししてくれたのも事実です。さらにウチのスタッフにも心から感謝しています…なにせ経営者でもない者に(その当時は専務)から「やることないからコレ作るぞ!」と言われて「よし、やろう!」とは常識的にならない訳で…でも
転んでもただでは起きない俺の性格
を少し理解していたのかもしれないし、ノリを大切にする性分もあったと思っています。
そして、ここで培ったノウハウはその後に大きく活きることになります…。
ダンボールは基本的に曲線に曲げることができません。つまり「曲面を平面だけで表現」しなければならないのです。試行錯誤の連続でした…なだらかな曲線を不自然感なく表現することは容易なことではありませんでした。幸い時間はタップリありましたので何度も作り変え、完成度向上を追求することができ、約55日間かけて、あのダンボールロボットの初号機が完成したのです。
このとき得たのは技術だけではなく、それとともに重要なこれを作り上げた
「自信」と「誇り」
も得られたと思っています。
CAD未経験の俺とウチのスタッフと共に「自信」の「根拠」を手にした瞬間でもありました。
(*ここ重要)
つまりこれで、この時は全くの意識の外にあった、『ダンボルギーニ』造る環境の第三段階に到達したのです。
(続く)